【暴走Ⅲ その四】

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それからは他愛も無い話をして、翔兄と蓮兜兄は部屋に戻った。 「はぁ~。何かバタバタ過ぎて疲れたね。明日はゆっくり寝ようね。」 背伸びをしてその場に倒れる私。 『そうだな。ゆっくりしような。』 寝転ぶ私を見て笑いかける竜兄。 「竜兄の笑顔。優しいよね。好きだな。」 何気なく言った。 『それは俺のセリフだな。蘭花の笑顔は俺の癒しだ。お前の笑顔を守る為なら何だってする。』 「じゃあ、私の笑顔がなくなれば嫌いになる?」 少し意地悪を言ってみる。 『蘭花を嫌いになるとかあり得ないな。もし笑顔が消えたら絶対に取り戻す。全てを投げ出してもな。』 「ありがと。竜兄が居る限り、私は笑っていられるから。大丈夫だよ。」 起き上がり竜兄を見てニカッと笑った。 『その笑顔。絶対、守ってやるからな。』 私の髪に指を絡ませキスをしてくる。 「竜兄。大好き。何でこんなに好きなんだろう。竜兄の全部が好き。髪も目も指も。この匂いも。その声も。全部。全部大好き。」 竜兄をじっと見て言った。 『お前は…本当に俺を煽る。わざとかと思う位。蘭花の言う事もする事も。全てが俺の理性を無くす。』 バッと抱きつき耳元で囁く竜兄の声が堪らない。
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