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『まぁね。でも、会社経営はまだ先の事だし。私が継ぐとは限らないからね。弟も居るのよ。念のための私なのかしらね。私の弟も蘭花ちゃんと同じ歳だし、まだ分からないじゃない。高校生の先の事なんて。だからよ。』
へぇ~。弟居るんだ。
「どっちにしても私は無理ですね。モデルも会社経営も。」
『そうかしら?出来そうだけど。私、今年いっぱいでアメリカに帰るの。その前に蘭花ちゃんと一緒に出掛けたいな。私とデートしない?』
……デート?
「…デートですか。あー。どうでしょう?聞いてみないと。」
って、何故私?
『じゃあ、社長が許可したらデートしてくれる?』
無理だろ。
「あー。そうですね。その時は。はい。」
ちょうど話が終わった時に竜兄が帰って来た。
『おぉ。蘭花。来てたのか。悪いな。あー。飯田さんも。すいません。待たせて。』
「大丈夫。コーヒー飲んでたし。じゃあ、私先に帰っとくから。」
竜兄に鍵をもらい、飯田さんに頭を下げ部屋を出た。
竜兄の家に入りお風呂を掃除して、お湯をためながら考える。
飯田さんって、何考えてるのか分からない。
あの時の嫌な笑みはなんだったんだろう。
でも、今日は感じが良かった。
竜兄を狙ってるのは確かだし。
だって、諦めないとか言ってたし。
ライバルの私をデートに誘うとか。
ってか、デートとか。
本当に何考えてるのか分からない人だ。
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