【暴走Ⅲ その四】

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しばらく志稀と遊んでいたら、翔兄と蓮兜兄が帰ってきた。 『志稀。遊んでもらってたのか?』 翔兄が志稀を抱き上げた。 「どう?増築の方。」 『ん。希望通り出来そうだよ。』 蓮兜兄が答えた。 『完成予定が4月頃だと。』 翔兄が志稀を蓮兜兄に預けながら言った。 『蘭花ちゃんと竜の誕生月だよね。4月。瑠璃さんも予定日、4月だったよね。忙しくなりそうだね。』 志稀を抱きながら蓮兜兄が言った言葉に固まる私。 今、何て言った? 私の誕生月なのは分かる。 瑠璃姉の予定日なのも知ってる。 竜兄の誕生月? いつ?えっ? って、私。竜兄の誕生日知らない!! 『何固まってんだ?蘭花?』 竜兄に言われハッとする。 「……あのさ。凄く今更だけど。竜兄。誕生日いつ?」 たじたじで聞く私。 だって、彼氏の誕生日知らないとか! 私。最低じゃん!! 好き好き言ってるくせに! 私のバカ~!! 『はぁ?!お前!竜の誕生日も知らなかったのかよ!あり得ねぇだろ!』 翔兄の意見はごもっともです。 『蘭花ちゃん。それはちょっと…フォロー出来ないよね。』 蓮兜兄は苦笑い。 「……えっと。竜兄?」 恐る恐る竜兄を見る。 『ん?あぁ。言ったことなかったもんな。お前と一緒。』 はい? 「一緒?何が?」 『だから、蘭花と同じ誕生日だ。4月10日。』 ん?4月10日? 「えぇー!マジ?一緒だったの?!」 凄くない?!それって! 『小さい頃は蘭花ちゃんと竜の誕生日一緒に祝ってたよね。覚えてないか。』 蓮兜兄が笑いながら言った。 『覚えてねぇかもな。昨年だって色々あったし、その前は竜の事も覚えてなかったしな。』 あー。そうだ。
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