【暴走Ⅲ その四】

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「竜兄。私ね。たまに思うんだ。私の愛は重すぎるんじゃないかって。竜兄は優しいから受け止めてくれるけど。それでも、やっぱり重いんじゃないかって。」 自分でも怖くてなるくらい愛しているから。 それを受け止める竜兄には負担かもしれない。 『お前な。いつも俺の話聞いてんのか?逆だろ。俺がお前に惚れたんだ。ずっと好きだったんだぞ。昔からお前の為にしか生きてない俺がお前から貰う愛が重い訳ねぇだろ。』 ……そっか。 「じゃあ、私は想いのままに竜兄を愛していいの?」 『当たり前だろ。想いのままに愛してほしいんだよ。俺は。』 「ん。分かった。」 押し付けの愛は重いだけ。 だけど、相手が望むなら想いのままに愛したい。 ずっと愛し続けたい。 「竜兄。私。竜兄の事、好き過ぎる。どうしようもなく。好き過ぎる。」 竜兄に抱きつき告げる。 『俺も。お前が居ないとダメだから。俺を捨てんなよ。頼むから。』 ギュッと強く抱き締められ身体を離したと思えば深く絡まるキスをした。 何度となく言葉でも身体でも愛を確認する。 それでも足りないから。 まだ私の愛を受け止めてほしいから。 まだ竜兄の愛を受け止めたいから。 『何だろうな。今日はずっとお前と抱き合ってたい気分だ。』 以心伝心。 私もそんな気分。 ずっと1日中、抱き合い過ごしたい。
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