【暴走Ⅲ その壱 】

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おっ!考え事してたら、お風呂たまってるし! 危ない 危ない。 キッチンへ向かい食材の確認をする。 おっ?ある程度の食材が揃ってる。 珍しい。 ちゃんと自分で作って食べてるのかな。 「何作ろうかなぁ~。寒いしなぁ。」 なんて、独り言を言っていたら 『何、冷蔵庫と話してんだ?』 竜兄が帰って来た。 「あっ。おかえり。仕事終わった?」 とりあえず、冷蔵庫を閉めて竜兄を見る。 『あぁ。終わった。で?冷蔵庫さんと何の話してたんだ?』 「馬鹿にしてんの?」 背広をソファーにかけ、シャツの袖を捲りながら竜兄がキッチンに来る。 『まさか。蘭花ちゃんは、何可愛い事してんのかと思ってな。』 私の髪をくしゃりと撫で笑う竜兄。 ……馬鹿にしてるし! 「何作ろうかと思って。冷蔵庫さんと相談してたの。文句ある?」 ぶー垂れて言ってみた。 『いや。ないけど。で?冷蔵庫さんは何て?』 にやけながら聞くな! 「寒いから、何か温かいものがいいんじゃないかってさ。」 『そうですか。じゃ、ビーフシチューでも作りますか?冷蔵庫さんに聞いて見て下さい。』 …何か腹が立ってきました。 スタスタと冷蔵庫の前に行き言った。 「冷蔵庫さ~ん!今日の夕食は、ビーフシチューでいいですか~!?」 シーン。 だよね。 あー。馬鹿じゃん! クルッと竜兄に振り向く。 「寒いからいいんじゃないかって!」 あー!馬鹿らしくなってきた! だって、竜兄必死に笑い堪えてるし! ってか、爆笑しだしたし!! 『ブッハッ!アハッハッハッ!蘭花、最高!可愛い過ぎ!』 腹を抱えて笑ってる竜兄。 「何だよ!竜兄の馬鹿!!もう、知らない!」 もう!私は風呂入る! バタバタとキッチンからお風呂場へ向かった。 ってか、まだ爆笑してるよ! さっさと制服を脱ぎ、お風呂へダイブ! ブクブクと沈む私。 プハァ~!と、上がり怒りを治める。 ハァ~。と、ため息をつき髪と身体を洗う。 竜兄も入って来るかと思いきや、来なかった。 別にいいけどさ。 ちょっと寂しいじゃないか。 お風呂から出て、髪をタオルで拭きながらリビングへと行く。 あっ。いい匂い。
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