【暴走Ⅲ その壱 】

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『蘭花。呑むか?ビールでいいよな。』 キッチンへ向かいビールを持ってきてくれた。 「ありがと。じゃ、今週もお疲れ様。」 『お疲れ。』 ん!旨い! 『あー。そう言えば、飯田さんが、お前とデートしたいって言ってたな。いいですか?って、聞いてきたぞ。』 ……そうだった。 「デートって。ねぇ。訳分かんないけど。私は竜兄に聞いてみないと。って、答えたんだけど。」 ダメと言って下さい。 断る理由がほしいから。 『別にいいんじゃねぇか?たまには、違う人と出掛けてみたらどうだ?』 ……いやいや。 そこは、ダメだって言おうよ。 「…えっ。でもさ、そうすると竜兄との時間も減る訳だし。ねっ?」 『そんな、丸1日とかねぇだろ。2、3時間位だろ?そのくらいは、俺も我慢出来るぞ。飯田さんも後少しで帰る訳だし、付き合ってやれよ。』 えー。マジでぇ? 「…あー。そうだよね。」 『何だ?嫌なのか?』 「いや。別に嫌とかじゃないけどさ。何か苦手なんだよね。飯田さん。」 『何でだ?そんなに話もしてねぇだろ。』 だからだよ。分かんないから。 「まぁ。そうだけどさ。あー。もう。分かった。行きます。」 やけくそじゃ! 『何だそれ。とにかく、日本で思い出作りたいんじゃねぇの?蘭花の事、可愛い可愛いって言ってたから。まぁ。じゃあ、OK出しとくぞ。』 「はいはい。」 デートとか何するんだか。 行きたいとこでもあるのか? まぁ。いいや。
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