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そんなこんなで金曜日。
今日は竜兄の家に行く前に買い物をする。
忙しくて行く暇が無かったらしい竜兄の代わりに。
スーパーで、何を買うか迷っていたら、聞き慣れた声。
『蘭花ちゃん。』
「あっ。瑠璃姉と佑さん。買い物ですか?」
『うん。蘭花ちゃんも?今から竜の所?』
「はい。今日、仕事終わったんですか?」
これには佑さんが答える。
『今日は病院で定期検診だったんだ。』
あー。そうなんだ。
何だか嬉しそうな佑さん。
「そうですか。お腹の赤ちゃんは順調でしたか?」
『ん。ちゃんと成長してくれてるわよ。』
「良かったですね。予定日とか分かってるんですか?」
『4月。4月の始め位よ。』
「私と同じですね。4月。」
『あっ!本当!蘭花ちゃんと同じだったら、いい子が産まれるかもね。』
「瑠璃姉と佑さんの子供は、絶対に可愛いですよ。お二人とも、美男美女ですし。」
『ありがと♪じゃあ、またゆっくり遊ぼうね。』
手を振り帰る二人の後ろ姿が、凄く幸せそうだった。
4月かぁ。
何か私まで楽しみだな。
買い物を済ませ、竜兄の所へ行った。
合鍵を貰ってるけど、とりあえず顔を出す。
「竜兄。ただいま。買い物してきた…よ。あっ。飯田さん。こんにちは。」
またまた飯田さん。
よく会うな。
『こんにちは。蘭花ちゃん。社長、今出てるわよ。すぐ戻るみたいだけど。』
「あー。そうなんですね。じゃあ、私は家に行きますから。」
何か言われそうなので、早く立ち去りたい。
『蘭花ちゃん。待って。この間の話。デートしてって話。』
……やっぱりか。
「あー。そうでしたよね。」
『社長からは、OK貰ったけど。蘭花ちゃん。いつがいい?』
えー!もう、決定?!
「でも、ほらっ。あれですよ。私と行っても面白くないと思いますけど。私、あんまり出歩かないので詳しく無いですし。」
だから、やめようよ。
『そんなに私とは嫌?じゃあ、社長と行こうかしら。』
はい?
「……いやぁ。さすがにそれは…。私が嫌です。すいません。」
嫌だろ!ってか、駄目だろ!
『じゃあ、いつがいい?』
結局行くのかよ!
「……いつでもいいです。飯田さんの都合で。」
もう諦めました。
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