【暴走Ⅲ その六 】

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月曜日。 夕べ、紗江先輩には行けるとメールをしておいた。 いつもの待ち合わせ場所に紗江先輩は居た。 「紗江先輩。おはようございます。」 紗江先輩に駆け寄る。 『あっ!蘭花ちゃん!おはよう♪大丈夫?』 二人で歩き出す。 「はい。大丈夫です。紗江先輩。この間はすいませんでした。せっかくの合格祝いだったのに。」 謝っていなかったから。 『全然平気よ。気にしないで。竜さんとはちゃんと話した?解決したの?』 紗江先輩の解決はきっと仲直り。 だけど… 「はい。解決しました。すいません。心配ばっかりかけてしまって。」 私の解決は違う。 紗江先輩。許して下さい。 帰って来たら必ずきちんと説明します。 『そう。良かった。彪も心配してたよ。蘭花ちゃんの事。』 「後で來希にも謝っておきます。」 学校もいつもの様に過ごした。 昼休みも相変わらずで二人の少し変わってきたやり取りを見て笑った。 あと3日。 紗江先輩。來希。 本当にごめんなさい。 二人には留学の話をするつもりは無い。 別れが辛くなるから。 半年だけど辛いから。 ……二人の卒業式も見れないな…。 月1の食事会もしばらく出来そうにない。 二人を見ると罪悪感に襲われる。 だけど、今は言えない。 帰って来たら必ず二人に謝ろう。 許してくれるかな? それでも、ちゃんと話して許してもらえる様に謝ろう。 私が強くなるまで待ってて下さい。 二人にきちんと話せるまで待ってて下さい。
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