614人が本棚に入れています
本棚に追加
残りの3日間、飯田さんと何度か連絡を取って着実に留学の準備を進めて行った。
龍咲さんの所にも出向き、あっちに行ってからのある程度の手続き等を教えてもらったり、書類をもらったりした。
バタバタと準備をしていたら、あっと言う間に留学当日。
紗江先輩にはしばらく一緒に行けないとだけメールをした。
空港には翔兄が連れて行ってくれる。
荷物を持ち玄関で靴を履く。
立ち上がり振り替えると、父さんと詩音さん、志稀、それに矢部さんも見送ってくれた。
「じゃあ、行ってきます。」
皆に笑顔で言った。
『おうっ!しっかり勉強して来いよ!気をつけてな。』
父さんが片手を上げた。
『ちゃんと食べるのよ。たまには連絡しなさいよ。』
詩音さんが心配そうに言った。
『蘭花!頑張れよ!』
ニカッと笑い志稀が言った。
『蘭花お嬢。身体に気をつけて。行ってらっしゃい。』
矢部さんが頭を下げて言った。
「うん。皆、ありがとう。頑張って来るから。行ってきます。」
『じゃあ、行くぞ。』
翔兄の言葉に頷き、皆に手を振って家を出た。
車に乗り込み空港へと向かった。
「翔兄。ありがとね。ここでいいよ。後は一人で大丈夫だから。」
空港の駐車場で翔兄に言った。
『…そうか。蘭花。頑張れよ。』
そう言って私の頭をくしゃっと撫でた。
「うん。頑張ってくるね。じゃあ、また夏にね。」
車から降り荷物を持って歩き出した。
よしっ!頑張ろう!
勉強もモデルの仕事も。
自分で決めた事だ。
後悔しない様に堂々と胸を張って帰って来れる様に。
そして、竜兄と笑顔で会える様に。
決意を固め一歩一歩踏み出す。
新しい自分を見つける為に。
強い自分になる為に。
飛行機から見える景色を眺め、改めて自分の決意を確かめた。
最初のコメントを投稿しよう!