【暴走Ⅲ その壱 】

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「何も凄くないです。そんなに私を誉めても何も無いよ。」 『俺はお前さえ居ればいいから、別に何も要らないけど。強いて言うなら、あの可愛らしい蘭花ちゃんが欲しいかなぁ。』 ……アホだ。 「残念。私も馬鹿じゃないんで、悪酔いする様な呑み方しませんよ。」 『そうか?んじゃ、それより旨い酒作ってやるって言っても、要らないんだな。この間、考案した新作なのになぁ。残念だな。』 ……呑みたい。 「…別に、一種類位違うの呑んでも大丈夫だけど。」 『だから?』 「……呑みたいです。作って下さい。」 何か悔しいぞ。でも、呑みたいし。 『良くできました。んじゃ、蘭花ちゃんの為に作ってあげようかな。ちょっと、待っとけよ。』 あー。負かされた感がする。 「まだぁ?早く~。まだですかぁ。」 悔しいから、わざと急かす私。 『まだ。ちょっと、待てって。』 「遅いぃ~。早く~。お~い。」 『煩ぇ~よ。お前、わざとだろ。そんな事、言ってっと作ってやんねぇ。』 …それは困る。 「…すいません。ゆっくり作って下さい。」 『お前って、やっぱアホだな。』 アホって言うな! ッチ。つまんなぁ~い。 不貞腐れて待ちました。 『ほれっ。呑んでみ?旨いから。』 やっと来た~♪ 「おっ!本当だ。超旨いし。」 『だろ。自信作だな。まだ作れるから好きなだけ呑めよ。』 やった~♪ と、グビグビ呑む私。
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