【暴走Ⅲ その壱 】

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うつ伏せになると、背中にキスをしてギュッと抱き締めてくる。 『蘭花。愛してる。離さない。』 身体を重ねる度に貰える愛の言葉。 耳元で私の名を囁く。 クルッと仰向けになり、竜兄の両頬に手をやり深くキスをする。 「そんなに寂しかった?」 私の胸元に顔を埋める。 『あぁ。探した。一瞬、パニクった。』 あー。悪い事しちゃったな。 竜兄の髪をそっと撫でる。 「ゴメン。もう、しないから。」 また違う一面を見た。 いつもと違う一面を。 私が居なくなった事で、弱く淋しがりやの竜兄の姿が愛しい。 私の竜兄。 竜兄の私。 「竜。大好き。」 初めて呼ぶ《竜》と言う響に、バッと顔を上げ私を見た。 「竜。愛してるよ。」 目を見つめて言うと、深く深くキスをしてきた。 私の前では、喜怒哀楽を子供の様に素直に出す竜兄。 それは私も同じで。 お互い良い所も悪い所も全て分かり合える。 そして、沢山愛し合ってケンカして。 何年先も何十年先も。 『蘭花。俺を一人にしないでくれ。俺もお前を一人にしないから。』 愛しいその人の言葉は私の心にスッと入ってくるんだ。 いつも心の奥底に。 「ん。約束する。」 ちょっとしたイタズラが、またお互いの気持ちを知るすべになる。 愛し合う度に更に深くなる想いは、どこまでも果てしなく。 私達の愛は無限大だ。
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