【暴走Ⅲ その壱 】

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湊倉庫前。 いつもの倍、バイクや車が停まっている。 『どうぞ。着きました。』 輝条が降りる様に促す。 車から降り扉の前に立つ。 男達が頭を下げ扉を開ける。 『『『お疲れ様です!』』』 男達と女達が一斉に挨拶をする。 「お疲れ。」 その間を通り白いソファーへと向かう。 以前より奥の方に少し広めにしてある。 男達の黒いソファーの後ろに少し間を空けて女達の黒いソファーが並べられている。 男達に習う様に女達も所定の位置に着いた。 「これより取締役会を始める。皆、座って。」 『『『失礼します!』』』 きっと、地方取締役達に事前に礼儀など流れを教えてもらっていたんだろう。 女達も男達と同じ様に動く。 見る限り、地方取締役達の指示をきちんと守る辺り、刃向かうヤツは居なさそうだ。 まぁ。元々、地方取締役達が取りまとめてきていた訳だし、そこら辺は大丈夫か。 「皆、お疲れ様。本題に入る。今日は、レディースを取締役会に迎える初の会合だ。地方取締役の皆がしっかりと人選してくれて助かった。レディース取締役達に言っておく。ここにはここのルールがある。それに従えない奴、また仲間を裏切る行為をした奴に私は容赦しない。こう見えても、ここに居る取締役の男達より私は強い。力で捩じ伏せる事は嫌いだが、やむを得ない場合は潰す。それだけは、しっかり覚えといて。まぁ。見る限り地方取締役達の人選は正しいと思える。これから、少しずつレディース取締役の事もひとりひとりと向き合って行くつもりだ。」
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