【暴走Ⅲ その壱 】

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あっという間に終業式。 世間は世に言うクリスマスイブらしい。 生徒会室。 『あー。淋しなぁ。今日で、生徒会も終わりだぁ。』 終業式が終わり、放課後に会長と紗江先輩と三人。 『本当。あっという間だった。蘭花ちゃん。一人で生徒会大丈夫なの?』 会長に続き紗江先輩が言う。 「はい。大丈夫です。一人の方が気を使わなくていいですから。でも、本当。早いですね。受験までは、手助けして下さいね。」 会長も紗江先輩も実質、生徒会の活動は二学期まで。 一月いっぱいは、引き継ぎなどで手助けをしてくれる事になっている。 『蘭ちゃんなら一人で大丈夫だよね。頭も良し。頑張ってね。卒業するまでは、手伝うよ。俺も蘭ちゃんに会いたいしさ。』 会長がニッコリ笑う。 「ありがとうございます。」 『蘭花ちゃんが素直に柳希君にお礼言うとか。』 紗江先輩?失礼な! 「会長には最初、本当に関わりたくなかったですね。ただでさえ目立つのに毎朝の様に声かけてくるし。だけど、自分が生徒会に入る事になって思ったんです。見た目はチャラチャラしてるけど、責任感の強い人だなって。仕事見てて尊敬する所も沢山ありましたし。実際、生徒会の仕事を教えてもらいましたし。本当に感謝してますよ。」 会長を見て微笑んだ。 『やっぱり、蘭ちゃんと離れたくな~い!』 で、抱きついて来る。 『私だって離れたくないわよ!』 と、紗江先輩も抱きついて来る。 「……お二人共。苦しいです。」 卒業まで残りの時間は少ないけど、それまででもいい。 残りの時間を三人でこうやって過ごせる事が嬉しい。 この二人のやり取りを見れなくなるのは淋しいけど。 「お二人共、大好きですよ。本当にありがとうございました。受験、頑張って下さいね。」 『蘭ちゃ~ん!』『蘭花ちゃ~ん!』 私の大好きな親友。 最初の出会いは二人とも最悪だったけど、今こうして思えるのは二人が凄くいい人だから。 私の大切な親友。 「ほらっ!お二人共。最後まで仕事していって下さい。私に余計な仕事、残さないで下さいよ!」 二人して、えぇー!と不貞腐れていたが、それはそれ。 きちんと仕事は終わらせてもらいました。
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