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ソファーに体育座りをして、クッションを抱え込み外の景色をボォ~と見ていた。
あの二人。
翔兄と蓮兜兄。
本当に何があったんだろう。
翔兄は自分が悪い様な言い方だった。
確かに翔兄は我が儘で俺様で自分勝手だけど……って、良いとこないじゃん。
あっ。そうそう。
翔兄はあんなふうに見えて、優しい。
それが、翔兄にとって大切な人なら尚更。
人前では見せない優しさだけど、二人だと凄く優しいんだ。
蓮兜兄にも凄く優しいと思う。
ずっと一緒に居た位だし。
翔兄の族車の後ろは、蓮兜兄の特等席だったみたいだし。
相手を思いやる気持ちもある。
心から蓮兜兄を愛しているのが、雰囲気で伝わって来てたから。
それが…。
蓮兜兄をずっと悩ませる様な事って、何だろう。
蓮兜兄は、凄く世話好きでおおらかな人。
多少の事では怒らないし、いつもニコニコしている。
翔兄の我が儘も俺様も全て受け止めて、上手に翔兄を扱える人。
そんな人が、ずっと悩んでも考えても答えが、出ない問題が起きたのが私には理解出来ない。
蓮兜兄は、翔兄に逢いたくならなかったのかな。
顔を見たくなかったのかな。
会ってしまったら、答えが見つけられないからかな。
翔兄は、蓮兜兄に逢えなくておかしくなった。
最低になった。
蓮兜兄に逢えない事で、翔兄の判断が鈍るんだ。
それだけ、翔兄にとって蓮兜兄の存在は大きなものなんだ。
それは、私と竜兄も同じだから。
だから、分かる。
翔兄の気持ちも。
蓮兜兄の気持ちも。
だけど、二人の問題だ。
自分が何もしてあげられない事に、悔しさが込み上げてくる。
何とも言えない虚しさも。
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