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気分が少し楽になり、今日の用事を聞く。
『ん。別に。明日から休みだろ?ところで、飯まだだろ?たまには、食いに行くか?』
何だよ。呼んだだけかい。
「珍しく平日に呼ぶから、何かあったのかと思ったよ。お腹空いたなら、何か作るよ。わざわざ食べに出なくても。」
疲れてるだろうし。
『いや。たまには出ようぜ。いい店を紹介してもらったから。行ってみたくてな。付き合え。なっ?』
私の頭をくしゃりと撫で立ち上がる竜兄。
「うん。別に竜兄が行きたいなら。私は構わないよ。お風呂は?」
さっき脱いだ背広をまた着る竜兄。
『風呂は帰ってからでいい。寒いからな。蘭花もコート着ていけよ。風邪ひくぞ。』
出掛ける準備をして、二人で家を出た。
車で20分程の所に着いた。
『着いたぞ。』
……ここは、あれですか。
世に言う高級レストランですか。
いやいや。私、普通の格好ですけど。
「…竜兄?ここ?」
『あぁ。そうだ。どうした?』
固まっている私に声をかける。
「私。こんな普通の格好だけど、いいの?」
『大丈夫だ。可愛い格好だぞ。化粧しなくても綺麗だし。』
そんな問題か?
「…本当に大丈夫?って、待ってよ!」
さっさと店に入る竜兄を慌てて追いかける。
『『いらっしゃいませ。』』
『予約した。輝条です。』
ん?予約?
『はい。輝条様ですね。こちらです。』
案内され奥の個室に入った。
席に座り、周りをキョロキョロする私。
「竜兄。予約したの?」
『蘭花と来たかったからな。』
予約って、そんなに簡単に取れるもんなのか?
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