【暴走Ⅲ その弐】

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気分が少し楽になり、今日の用事を聞く。 『ん。別に。明日から休みだろ?ところで、飯まだだろ?たまには、食いに行くか?』 何だよ。呼んだだけかい。 「珍しく平日に呼ぶから、何かあったのかと思ったよ。お腹空いたなら、何か作るよ。わざわざ食べに出なくても。」 疲れてるだろうし。 『いや。たまには出ようぜ。いい店を紹介してもらったから。行ってみたくてな。付き合え。なっ?』 私の頭をくしゃりと撫で立ち上がる竜兄。 「うん。別に竜兄が行きたいなら。私は構わないよ。お風呂は?」 さっき脱いだ背広をまた着る竜兄。 『風呂は帰ってからでいい。寒いからな。蘭花もコート着ていけよ。風邪ひくぞ。』 出掛ける準備をして、二人で家を出た。 車で20分程の所に着いた。 『着いたぞ。』 ……ここは、あれですか。 世に言う高級レストランですか。 いやいや。私、普通の格好ですけど。 「…竜兄?ここ?」 『あぁ。そうだ。どうした?』 固まっている私に声をかける。 「私。こんな普通の格好だけど、いいの?」 『大丈夫だ。可愛い格好だぞ。化粧しなくても綺麗だし。』 そんな問題か? 「…本当に大丈夫?って、待ってよ!」 さっさと店に入る竜兄を慌てて追いかける。 『『いらっしゃいませ。』』 『予約した。輝条です。』 ん?予約? 『はい。輝条様ですね。こちらです。』 案内され奥の個室に入った。 席に座り、周りをキョロキョロする私。 「竜兄。予約したの?」 『蘭花と来たかったからな。』 予約って、そんなに簡単に取れるもんなのか?
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