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『学校の友達は作らなかったな。勉強しに行くだけだし。その前の荒れてた時の仲間とは、仲良くしてたけど。いい奴らだぞ。見た目スゲェけど。こっちで言う暴走族みたいなもんだ。たまに、元気か?って電話来るぞ。まぁ。さすがに、あいつらも落ち着いて家庭もってたり仕事したり、真面目にしてるみたいだけどな。』
へぇ~。初めて聞いたな。昔の竜兄の事。
「そうなんだね。でも、良い仲間に出逢えて良かったね。」
『まぁな。蘭花の話も良くしてたから、あいつら蘭花に会わせろって煩かったぞ。今でも電話で、早く連れて帰って来いって煩いけど。』
「長期休暇でもとって、たまには会いに帰ったら?竜兄も会いたいでしょ。」
『会いたいけど。その時は、お前も連れて行く。じゃなきゃ、俺がまた言われるしな。その時は付き合えよ。』
「その時はね。」
竜兄の昔の話をして、店を出た。
帰る途中、ちょっと寄りたい所があると言う竜兄。
「……で?何処に行く気?山だけど。」
何故か民家も無い様な山道。
『もう少しで着くから。』
そう言って、着いた先はやっぱり山。
『着いたぞ。』
「何?!私を殺す気?!」
冗談ですが、そんな気分。
『アホだろ。まぁ、いいから。降りろよ。』
車から降り、竜兄が手を繋いだ。
竜兄に連れられて足を止めた。
「……すごっ!凄い!綺麗!」
そこには、真っ暗な闇の中に東京中のイルミネーションがキラキラ輝く夜景が一面にあった。
『綺麗だろ。お前に見せたかったんだ。』
「ん。本当に綺麗。」
『お前と会えなかった時に、ここに良く来てた。たまたま、気を紛らわしたくて車走らせてたら見つけたんだ。一人でこの夜景見て、いつか蘭花と二人で見れたらなって思ってた。』
そうだったんだ…。
「ありがとう。竜兄。」
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