【暴走Ⅲ その弐】

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『学校の友達は作らなかったな。勉強しに行くだけだし。その前の荒れてた時の仲間とは、仲良くしてたけど。いい奴らだぞ。見た目スゲェけど。こっちで言う暴走族みたいなもんだ。たまに、元気か?って電話来るぞ。まぁ。さすがに、あいつらも落ち着いて家庭もってたり仕事したり、真面目にしてるみたいだけどな。』 へぇ~。初めて聞いたな。昔の竜兄の事。 「そうなんだね。でも、良い仲間に出逢えて良かったね。」 『まぁな。蘭花の話も良くしてたから、あいつら蘭花に会わせろって煩かったぞ。今でも電話で、早く連れて帰って来いって煩いけど。』 「長期休暇でもとって、たまには会いに帰ったら?竜兄も会いたいでしょ。」 『会いたいけど。その時は、お前も連れて行く。じゃなきゃ、俺がまた言われるしな。その時は付き合えよ。』 「その時はね。」 竜兄の昔の話をして、店を出た。 帰る途中、ちょっと寄りたい所があると言う竜兄。 「……で?何処に行く気?山だけど。」 何故か民家も無い様な山道。 『もう少しで着くから。』 そう言って、着いた先はやっぱり山。 『着いたぞ。』 「何?!私を殺す気?!」 冗談ですが、そんな気分。 『アホだろ。まぁ、いいから。降りろよ。』 車から降り、竜兄が手を繋いだ。 竜兄に連れられて足を止めた。 「……すごっ!凄い!綺麗!」 そこには、真っ暗な闇の中に東京中のイルミネーションがキラキラ輝く夜景が一面にあった。 『綺麗だろ。お前に見せたかったんだ。』 「ん。本当に綺麗。」 『お前と会えなかった時に、ここに良く来てた。たまたま、気を紛らわしたくて車走らせてたら見つけたんだ。一人でこの夜景見て、いつか蘭花と二人で見れたらなって思ってた。』 そうだったんだ…。 「ありがとう。竜兄。」
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