【暴走Ⅲ その弐】

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しばらくして、翔兄が落ち着いた。 竜兄がお酒を作り替え持ってきた。 『悪かったな。クリスマスなのに。二人でゆっくりしたかっただろ。』 翔兄がお酒を呑みながら私と竜兄を見る。 「ん。大丈夫。もう、素敵なクリスマス過ごさせてもらったから。でも、良かった。翔兄と蓮兜兄が一緒に居るのまた見れて。」 『本当に心配かけてゴメンね。』 蓮兜兄が謝る。 『気にするな。俺達はお前らが戻ってくれたらそれでいいんだ。だけど、組長達にはまだ言ってないんだろ?大丈夫なのか?』 そうだよ!!まだ、問題残ってるじゃないか! それも、難易度高い大問題が! 「どうするの?!父さんもそうだけど、おじさんにも言わなきゃいけないでしょ?!」 ウチもそうだけど、蓮兜兄の方にもきちんと報告しなきゃいけないじゃないか! 『まぁな。言わねぇ訳にはいかねぇしな。もう少しして、子供を引き取る時に子供を連れて話に行こうと思う。』 「それじゃ、遅くない?引き取る前に話しはしてた方がいいよ。」 いきなり連れて行っても。 『いや。どっちにしろ、引き取る事は変わらないからな。どうせなら、もう籍も移し変えてから連れて行く。その位の覚悟で行かねぇと納得しねぇと思うしな。まぁ、俺も生半可な気持ちじゃねぇし、反対されたら家を出るだけの話だよ。』 …家を出るって。 『大丈夫だろ。組長も肝の据わった人だ。お前らの覚悟位分かるだろ。問題は、蓮兜の方かもな。組長達はある程度、お前らの関係も分かってるはずだが蓮兜の親父さんは知らないだろ。それを納得させるのは大変かもな。まぁ、言えば蓮兜を嫁に出す様なもんだしな。』 嫁?なのか? 竜兄の言葉に固まる私。
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