【暴走Ⅲ その弐】

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「何で。私、まだ呑むし。竜兄、明日仕事でしょ。おやすみ。」 ビール片手にソファーに座る私。 『蘭花。いい加減にして、一緒に寝ようか。なっ?機嫌直して。』 私の隣に腰を下ろす竜兄。 「何でいつも三人揃うと、私を虐めるかな。腹立つし。」 ぶー垂れてグビグビ呑む私。 『そりゃ、お前が可愛いからだろ。好きな子には意地悪したくなるだろ。』 なんじゃそりゃ。 「小学生か!もう!いい!寝る!」 バタバタと寝室へ向かいベッドへダダイブ!! うつ伏せている私の上に乗っかる竜兄。 ぐ……ぐるじい。 『蘭ちゃん。機嫌直して。』 少し身体を浮かせ、私の頬にキスをしてくる。 『やっぱ可愛い。蘭花。こっち向いて。』 耳元で甘く囁く竜兄の声。 「…やだ。」 素直じゃない私。 『蘭花。こっち向いて。顔見せて。』 今度は素直に仰向けになる。 ジッと見つめられ、思わず目を反らす。 『俺を見て。』 ゆっくり視線を戻せば深くキスをしてくる。 『可愛いな。』 竜兄の言葉が私を刺激する。 感じるままに漏れる声。 私の声に反応する愛しい人。 そして二人で愛を確かめる。 『愛してるよ。蘭花。』 好き過ぎてたまらない。 この声もこの手も。 竜兄の全てが好き過ぎる。 愛し合う度にどんどん深く入り込んでいく気持ち。 全てを受け入れてくれる竜兄が堪らなく愛しい。 愛し合ったその後に、二人で抱き合い寄り添いながら眠りにつくんだ。
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