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詩音さんは納得していないのか、険しい表情で志稀を見た。
まぁ。いきなり翔兄が子供を連れて来た訳だし。
当たり前と言えば当たり前の反応だ。
蓮兜兄との事は何も言わない辺り、やはり知っていたんだと思う。
でも、まさかいきなり孫とか思いもしなかっただろう。
詩音さんの声にビクッとした志稀。
「詩音さん。そんな怖い顔しないで。志稀が怖がるから。」
思わず志稀を庇う私。
『蘭花は黙っときなさい。志稀。こっちに来なさい。』
志稀から目を離さずいい放つ詩音さん。
志稀は、少し戸惑いながらゆっくりと詩音さんの前に行った。
その途端。
『キャー!可愛い!志稀。詩音さんよ!おいでぇ~♪』
………。
その場の全員固まりました。
志稀を抱き寄せ頬をスリスリしてる詩音さん。
どうやら、かなり気に入ったらしい。
初めての孫。
「翔兄。良かったね。この分じゃ、私達より父さんと詩音さんが志稀を溺愛しそうね。」
翔兄の後ろから言う私。
『だな。ヤバイな。あっちになつくんじゃねぇか?俺が父親なんどけどな。』
ん。もう、翔兄は父親だ。
『子供はやっぱり可愛いな。蘭花。子供欲しいな。』
今まで、ずっと黙って見守っていた竜兄の言葉がこれ。
「……まだ、早いですね。もう暫くは無理なので我慢して下さい。」
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