【暴走Ⅲ その参】

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ドタドタドタドタ バタッ! 『蘭花~。おはよう♪』 ……ッウ。 「…志稀。朝からダイブして来るな。」 『蘭花~。遊ぼう!早く!起きて!』 「…もう少し、寝かせて…。」 志稀が我が家に来て2日。 『ダメ~。早く!』 「もうっ!お父さんの所に行けばいいでしょ!」 『やだ。蘭花がいい。』 まぁ~。何て言うのか。 ずっと前から、ここに居たんじゃないかと思う位の態度だ。 「分かった。分かったから。とりあえず、退いて。着替えて来るから、待ってて。ねっ?」 頭を撫でてやると、満面の笑みで頷く。 何か仔犬みたい。 「おはようございます。」 着替えを済ませ顔を洗いリビングに入る。 『おぉ。早いな。』 『あらっ。冬休みなのに珍しいわね。』 父さんと詩音さんが休みに早く起きてきた私に言う。 私もまだ寝たいわ! 「ん。志稀に起こされた。」 ダイニングテーブルで朝御飯を既に食べている志稀の横に座る。 『志稀は蘭花ばっかりね。志稀。今日は詩音さんと遊びましょうか。』 私にコーヒーを出しながら志稀に微笑み言う詩音さん。 『やだ。ボク、蘭花と遊ぶ。』 『志稀。じゃあ、俺と遊ぶか?』 ソファーからやって来た父さんが志稀の頭を撫でる。 『やだ。蘭花がいい。』 二人共、志稀にフラれて凹んでます。 「志稀。私、今日は夕方から忙しいからね。それまでは、遊んであげるけど私が居ない時はちゃんと言うこと聞くのよ。分かった?」 今日は今年最後の取締役会なのだ。 夕方には竜兄が来る。 『うん。分かった。じゃあ、遊んでね。』 「はいはい。分かりました。」 『おぉ。おはよう。志稀。早いな。』 翔兄がやっと来た。 『おはよう。翔さん。』 「志稀。翔さんじゃなくてお父さんだよ。翔兄もそう言うのはちゃんと教えなきゃ。」
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