【暴走Ⅲ その参】

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昼食時。 「翔兄。志稀は確実に強くなるわよ。この子、集中力が凄い。5歳児とは思えない位。それに、もう殺気を感じられる。まだ、無意識だけどね。」 『マジか。すげぇな。志稀。お前、俺より強くなるんじゃねぇか?』 『うん!父ちゃんより強くなって、守ってやる!』 『おうっ!頼むな!』 おー。親子だ。 「大丈夫。翔兄より強い私が鍛え上げるんだから。翔兄より強くなるのは、当たり前よ。」 『んだと!蘭花。てめぇ、志稀の前で余計な事言うんじゃねぇ。』 『父ちゃん、蘭花より弱いのか?』 志稀が聞く。 「そうだよ。私、強いからね。」 ニッと笑って志稀に答える。 『違うぞ。志稀。蘭花は女の子だから、父ちゃんは手加減してやってるんだぞ。男の優しさだな。お前も優しい男になれよ。』 何言ってんだか。 ふーん。と、言っている志稀。 まぁ。父親の威厳もあるし、そう言う事にしといてやろう。 お昼からは、志稀に字を教えた。 やっぱり、賢い方がいいからね。 「志稀。あいうえお。書ける?」 志稀の前にノートと鉛筆を出す。 『書けない。でも、少し読めるよ。』 あー。そうか。 「そう。じゃあ、絵本読もうか。」 まず、字を読ませないとね。 部屋から絵本を探し、志稀と読んだ。 「じゃあ、これは?読める?志稀?」 隣を見るとウトウトしている志稀。 あらっ。寝ちゃった。 志稀を抱き上げ、和室に運びタオルケットをかけて寝かせた。 その寝顔をじっと見る。 可愛い。 子供の寝顔とか初めて見たな。 凄く可愛い。 指でスベスベお肌の頬をつつく。 本当に可愛い。 そのまま、私も一緒に寝てしまいました。
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