【暴走Ⅲ その参】

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ん? あっ。いつの間にか寝てた。 ツンツンと私の頬をつつく指。 その方向を見てみれば、唇にチュッと軽いキス。 「……。竜兄。何してんの。」 隣では志稀がまだ寝ている。 『ん?可愛い寝顔だったから。』 「…あっそ。隣に志稀居るでしょ?見えない?」 『居るな。だから?』 「…ちょっと考えようか?」 『何で?寝てるじゃねぇか。しかも、俺の蘭花の隣で。』 ハァ~。 起き上がり部屋へ行く。 竜兄は後ろから着いてきた。 部屋へ入ると鍵を閉める竜兄。 「…何で鍵、閉めるんですか。」 すると、抱きついてくる。 「ちょっと。どうしたの?」 『志稀にヤキモチ。いつもなら、週末は俺んちに来るのに。』 あー。ねぇ。 「ん。ゴメン。志稀がウチに慣れるまでって思って。でも、今日見てて大丈夫そうだったから、来週は行くから。ねっ?」 少し身体を離し竜兄の顔を見て言った。 『志稀ばっかりじゃなくて、俺にも構ってな。』 そう言って深くキスをしてくる。 『…蘭花…』 耳元で囁くその声に身体の芯が疼く。 その唇が私の唇をまた奪う時 『……蘭花…。』 「…たつ…。」 共に感じる愛。 愛している証として誓いと共に背中にキスが降ってくる。 「竜君は寂しがり屋ですね。」 『蘭花に対してだけな。』 そう言って、またキスをする。 『やっぱり、蘭花が居るときに居ないとダメだな。家に居ても何していいか分かんねぇ。昨日の夜から今日一日あらためて思ったな。』 「そう?たまには、一人の時間があった方がいいでしょ。」
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