【暴走Ⅲ その壱 】

8/43
前へ
/334ページ
次へ
車の中。 「レディース取締役達。いい人ばっかりで良かった。やっぱり、地方取締役達に任せて正解だったよ。」 竜兄に話かける。 『だな。まぁ。元々、暴走族の傘下に居た奴らだからな。その中でも優秀なの選んで来た訳だから、頭もキレテ喧嘩も強い奴らだろ。』 「だよね。とりあえず安心した。上手くやっていけそうで。」 座席に凭れながら上を向く。 『疲れたのか?』 ミラーでチラッと見て私に言った。 「ん。大丈夫。ほっとしただけ。」 目を瞑りながら答える。 『あんまり、無理すんなよ。』 「竜兄もね。」 そのまま、うとうと寝てしまった私。 『蘭花。着いたぞ。組長に報告してこい。』 竜兄の声に目が覚めた。 「ん。あぁ。寝ちゃってた。ごめん。行ってくる。」 車から降り、組長に報告に行く。 「蘭花です。」 ドアの前で声をかける。 『おぉ。入れ。』 一礼して中に入る。 「失礼します。」 『おぉ。蘭花。お疲れ。どうだった。レディース取締役達は。』 「はい。地方取締役達の人選なので、しっかりした奴らばっかりでした。これと言って問題も無く、スムーズにいきそうです。」 『そうか。そりゃあ、良かった。まぁ。まだ始まったばかりだ。ゆっくりやっていけ。』 「はい。分かりました。あっ。それと、倉庫内の手配等ありがとうございました。助かりました。」 『あぁ。翔がしてたな。気にすんな。お前らは西極組の傘下なんだ。何かあったら、すぐ相談しろ。』 「ありがとうございます。では、失礼しました。」 一礼して部屋を出た。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

614人が本棚に入れています
本棚に追加