614人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋へ戻り壁にかけてある特攻服に手を伸ばす。
鏡の前でバッと特攻服を身に纏い背中を向ける。
漆黒の中に浮かぶ銀刺繍の文字。
【全国暴走族総取締役 西極 蘭花】
よしっ!私は総取締役!
今年最後の取締役会だ。
気合いを入れて行こう!
階段を下り玄関へ向かう。
西極組の組員達に見送られ門の前に待つ輝条の前に立つ。
「行こう。輝条。乗って。」
バイクに跨がりエンジンを吹かす。
輝条が乗ったのを確認し、バイクを走らせた。
久しぶりのバイク。
風を切って走るこの感じが堪らなく好きだ。
湊倉庫に到着した。
バイクを停め下りる。
扉の前。
男達が頭を下げ、扉をゆっくり開ける。
すると、中から一斉に挨拶が聞こえる。
取締役達の間を通り抜け、いつもの白いソファーへ腰をおろした。
全員が黒いソファーの前にたった。
「只今から取締役会を始める皆座って。」
全員がソファーに座ったのを確認。
「じゃあ、最初は北海道取締役から報告して。」
そして、北から南まで各地方の暴走族、レディースの取締役達の報告が一通り済んだ。
「何処も問題無いようね。ただ、正月前だから正月暴走するなら、きちんと管理指示して。抗争が起きない様に。責任はお前らにあるから。じゃあ、他に何か無い?」
最初のコメントを投稿しよう!