【暴走Ⅲ その参】

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レディースの取締役の女が一人、手を上げた。 そちらに目をやれば、女は立ち上がった。 『東京レディース取締役の工藤と言います。その節は大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。』 あぁ。あのドラッグの時、幹部の子を突き出した人だ。 「ん。それで、何か?」 『いや。失礼を承知で言います。総取締役の最強伝説は聞いてます。』 ……最強伝説って。 『ですけど、自分は自分の目で見た事しか信じません。総取締役は本当に強いんですか?見た感じでは、そうは見えませんが。すいません。正直、信じられません。』 あー。ねぇ。 その場に居る全員がざわつきだした。 レディース取締役は何人か頷いている。 「そうだねぇ。見たことしか信じないのは良い事だけどね。まぁ。暴走族取締役達は、何度か見てるから知ってるけどね。レディースは見てないもんね。ドラッグしてたし、覚えてないかもしれないよね。で?どうすれば信じる?」 問いかける。 『自分らと、対戦してもらえませんか?タイマンでもいいです。とにかく、自分で確かめたいんです。お願いします!』 やっぱり、そうきましたか。 「OK。じゃあ、レディース取締役全員。まとめて相手するから。全員沈めたら信じてくれるかな。」 『…っと。全員ですか?』 「うん。全員ね。一人一人は面倒だし時間かかるし。呑む時間減っちゃうし。よしっ!さっそく始めようか。あっちに移動して。」 ソファーから立ち上がり、倉庫内の広い場所へ移動する。 その場に居る全員が私の後に続く。
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