【暴走Ⅲ その参】

13/99
前へ
/334ページ
次へ
「えっ?何で?今まで何度も見てるじゃん。」 『確かに見てたけど、こんなに間近では見たことねぇだろ。まして、お前がにやけながら闘うとか。怖ぇんだろ。』 そう言われ、準備が終わり立っている暴走族取締役達を見た。 ……誰も目を合わせませんが。 「來希君~。ちょっと。」 その中で唯一、目が合った來希に手招きをする。 『…何でしょうか?』 私の前に来た。 「何で、皆は私と目を合わせないのでしょうか?教えて下さい。」 頭をポリポリしながら、來希が言いにくそうに答えた。 『……あれですね。総取締役がにやけながら楽しそうに闘うから…何て言うか。その…あの笑みは怖すぎると…。敵にはしたくないかな。なんて。』 「へぇ~。私って、楽しそうにしてた?まぁ。身体動かすのは楽しいよね。」 そう言いながら立ち上がり、暴走族取締役達に人指し指をビシッと向けた。 「そこの君達!!闘いは楽しんだ方が勝つのよ!!」 全員、ビシッと立ち一斉に返事をした。 『『『 『 はい!!! 』』』』 「って事で、呑もう!グラス持って~!はい!かんぱ~い!」 グラスの中身を一気に呑み干す。 あー!旨い!動いた後は特に! 「皆!今年最後の取締役会。お疲れ~!また、来年もヨロシクねぇ!今日は楽しんで呑んでねぇ。」 と、皆に告げてソファーに座る。 『蘭花。少し考えて呑めよ。早めに切り上げて報告終わったら、俺んち行くぞ。』 後ろから、ボソッと耳元で言われた。 はいはい。分かってますよ。 「了解!大丈夫です!って、あぁ。お姉さん達。気がついた?大丈夫?」
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

614人が本棚に入れています
本棚に追加