【暴走Ⅲ その参】

14/99
前へ
/334ページ
次へ
ソファーに寝ていたお姉さん達が次々と起き上がった。 すると、言い出しっぺの工藤さんがこっちに来た。 『総取締役!本当に強いんですね!さすがです!尊敬します!どこまでも着いて行こうと決めました!』 いやいや。そんな大袈裟な。 「あー。ありがとうございます。認めてもらえたんで良かったです。」 ニコッと笑う。 『『『『 可愛い!!!』』』 と、どっとやって来たお姉様方に囲まれ凄い事になりました。 「…ぐるじいでず…」 と、まぁ。 以前と同じ様になり…。 その後もレディース取締役全員を加えて、再度乾杯をして盛り上がった。 『蘭花。そろそろ帰るか。挨拶しとけ。』 おー。もう、そんな時間か。 ソファーから立ち上がり、取締役達全員を見て言う。 「皆!今日は最後まで楽しんで呑んで下さい~!私は先に帰ります。」 声をかけると、皆一斉にこちらを見た。 「全国暴走族総取締役!西極 蘭花! 今年一年、私について来てくれてありがとう!来年も頑張ってやって、いきますんで!そこんとこ!ヨロシク!!」 今年最後の締めに。 『『『『 ヨロシク!!』』』』 全員の返事を聞いて、じゃあね。と手を振り倉庫を出た。 『大丈夫か?ちゃんと、掴まってろよ。』 バイクの後ろに乗った私を確認する竜兄。 「大丈夫。そんなに呑んでないから。さっ。帰ろう!」 何かため息が聞こえたが、気にしない。 竜兄はバイクの運転も上手い。 翔兄のは怖かったけど。 冷たい風が少し火照った頬にヒンヤリくるのが気持ちいい。 やっぱり、風を感じて走るのは大好きだ。 そして、こうして好きな人の背中を見ながら優越感に浸れる感じも。 バイクを運転する竜兄の背中が凄く格好いい。 この背中は私のもの。 思わず、竜兄の腰に手を回しギュッとくっつく。 あ~!もう!幸せすぎる! 帰り着くまで、幸せな気分を味わった私でした。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

614人が本棚に入れています
本棚に追加