【暴走Ⅲ その参】

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『今日は竜の所に泊まるのか?』 翔兄に聞かれ答える。 「うん。昨日は泊まれなかったから。じゃあ、行ってきます。」 二人に手を振り家を出た。 車の中。 『蘭花。バイク乗ってる時。何考えてた?』 「えっ?別に。風が気持ちいいなぁ。って。何で?」 『後ろからギュッってしてきたから。珍しいなって思ってな。』 あー。そうだった。 「そう?別に意味はないけど。」 言ったら、絶対後がね…。 『そうか。ならいいけど。買い物して帰るか?』 「そうだね。お酒買わなきゃね。」 『やっぱり、呑むのか。お前、一応未成年だからな。普通に呑んでっけど。』 アハッ。忘れてたね。 「だね!気にしない。気にしない。」 ニヒッ。笑って誤魔化せ。 『ハァ~。まぁ。今更だな。』 うん。うん。今更だ。 と、言うわけで買い物をしてから竜兄の家へ行きました。 『風呂、沸かしてくる。入るだろ?』 汗かいたしね。 「はい。お願いします。」 竜兄がお風呂を沸かしに行ってる間に買い物した物を冷蔵庫に入れていた。 よしっ。全部入れた。 冷蔵庫を閉め振り返ると竜兄が真後ろにいた。 「ッウオッ!ビックリした。何?」 『で?バイクの後ろで何考えてたんだ?正直に答えろ。』 えー!納得したんじゃないのかよ! 「…だから。何も考えてないって。何を言わせたい訳?」
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