【暴走Ⅲ その参】

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「……当たり前でしょ。今日だって、バイクを運転する竜兄の背中が格好良すぎて…また惚れたし。今の笑顔にもやられそうだし。…この先、何度竜兄に惚れ直すんだろ。私…。心臓もたないかも。」 ハァ~。と、ため息をつき残りのビールを一気に飲み干した。 すると、私が座っているソファーに私を挟むように両手をついてきた竜兄。 私の視線より下から、ニッコリ微笑んで私を見た。 『何か。すっげぇ~嬉しい。蘭花の口から、そんな事聞けるとか。俺、今死んでもいいかも。』 そう言って、軽くキスをしてくる。 「…死なれたら困りますけど。でも、さっきのは本音だよ。いつも思うんだよね。知れば知るほど、竜兄にハマっていくのが自分でも分かるし。まぁ。色んな事があったから、尚更なんだけどね。好き過ぎて、自分でも困る位。」 『俺も一緒だな。お前の一つ一つにいつも惚れて。可愛かったり、綺麗だったり。色んな顔見せる蘭花が愛し過ぎて困る。本当なら、365日24時間ずっと一緒に居たい位だし。でも、お前に見合う男にはなりたいからな。俺はな。金とか権力とかそんなんで仕事してんじゃないんだ。ただ、愛する女の為だけに生きてるんだよ。お前の為に。』 「何か凄い大告白された気分。ありがと♪竜兄。」 ニッコリ笑いかけた。 『俺も。お前の本音が聞けて嬉しかった。ありがとな。』 キスをする度に愛しい気持ちで溢れる。 『…蘭花…可愛い…。』 キスをする。 愛しい人が私の心を揺らす。 本当に好きで好きで堪らない。 竜兄は私のもの。 そして、私は竜兄のもの。 もう、二度と離れる事は無い。 この時は、まだそう思っていた。 もう少し先に起こる出来事が二人を私を狂わせる事になるなんて……。
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