【暴走Ⅲ その参】

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大晦日。 毎年恒例。 西極組大掃除。 朝早くからドタバタと騒がしい。 『蘭花~!志稀、見といてぇ。危ないからぁ。』 部屋の掃除をしていたら、下から詩音さんが叫んだ。 「はーい!今行く~!」 階段をバタバタ下り、リビングへ行くと、ソファーに座っている志稀。 その周りでは、大人がバタバタと動き回っていた。 「志稀。おいで。一緒に蘭花の部屋、掃除しよっか。手伝って。」 志稀に手を伸ばすと、パッと笑顔になりソファーから下りて走ってきた。 『蘭花!ボク、蘭花のお手伝いする!』 私の手をギュッと握ってきた。 可愛いヤツめ。 思わず笑顔になる。 「ん。じゃあ、蘭花の部屋綺麗になったらアイス食べようか。ねっ?」 『うん!!』 志稀の手を引き、部屋へ戻った。 「志稀。これで、あっちから綺麗に拭いて来て。私はこっちからするから。はいっ。」 雑巾を手渡し床を拭かせる。 おっ。ちゃんとしてる。 偉い。偉い。 志稀と二人、部屋の床をピカピカにしました。 「よしっ!綺麗になったね!志稀。掃除上手だね。お手伝いしてたの?」 『うん!いつも、お母さんのお手伝いしてたよ。お掃除もお洗濯も。何でも出来る!』 さすが。志穂さん。 しっかり躾してたんだな。 「じゃあ、今度は棚の上を拭いてね。届く所だけでいいからね。」 志稀が拭いてくれている間に干していたラグを敷いたり、テーブルを戻したりする私。 一通り終わって志稀を見ると、まぁ。感心。 細かい所まで綺麗に拭いている。 『終わった~!蘭花!終わったよ!』 こっちを振り向きニコッと笑う志稀。 「綺麗になったね。志稀。ありがとう。じゃあ、ちょっと待っててね。アイス取ってくるからね。」 掃除道具を持ち、下へおりた。 道具を片付けキッチンへと向かう。
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