【暴走Ⅲ その参】

26/99
前へ
/334ページ
次へ
そんなこんなで、もう夕方。 「竜兄。お風呂沸いたよ。先に入るね。」 ゴロゴロして結局、お昼寝までしてしまった。 竜兄が寝てる間にお風呂を沸かしたから、声をかけても寝惚けてる竜兄。 『…ん?もう、そんな時間か。』 のっそり起きた。 「時間無いから先入るからね。」 返事も聞かず、さっさとお風呂へ向かう私。 お風呂に入っていたら、竜兄も入ってきた。 『早く起こせよな。ってか、一人で入んなよ。』 「疲れてたみたいだし。別に遅れたら遅れたで構わないでしょ。」 『まぁ。いいけどな。』 いいなら言うな。 二人でゆっくりお風呂に入り上がった。 「何着ようかな。あっ。この間、瑠璃姉に貰った服があったよね。」 身体を拭きながら言うと、竜兄が 『あぁ。俺のプレゼント着てけ。』 「えっ?プレゼントって服?」 『さぁな。とりあえず、下着つけてTシャツだけ着て出てこい。』 ?何でだ? とりあえず、言われるまま竜兄について行ったら寝室だった。 『ほらっ。これ。開けてみろ。』 あぁ。さっきの紙袋。 「何これ。大きいけど。何入ってんの?」 何か大きな箱に入ってる。 『いいから開けてみろ。』 うん。と返事をして袋から出し箱を取り出した。 ベッドに箱を置き開けてみた。 ………何でしょう。 「…えっと。これは…あれですよね。」 『あぁ。着物だな。正月だし、初詣行くだろ。蘭花の着物姿、見てみたいしな。』 「…わざわざ買ったの?」 『急に思い立ってな。で、朝出かけてたって訳。』 あぁ。なるほどね。 「…これを今から着ろと?」 『そりゃあそうだろ。何の為に買ったと思ってんだよ。自分で着れるだろ?』 おいおい。 「まぁ。着れるけどさ。」 『何だ?嬉しくなかったか?』 「嬉しいです。嬉しいんだけどさ。こういう事は早く言ってくんないとね。時間かかるでしょ。」 洋服じゃないんだからさ。 『そうか。そうだよな。悪い。何も考えてなかった。じゃあ、やめとくか。』
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

614人が本棚に入れています
本棚に追加