【暴走Ⅲ その参】

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「いやいや。せっかく買ったのに勿体ないでしょ。いいよ。たまには。ねっ?じゃあ、着替えるから竜兄はあっちで待ってて。」 竜兄を寝室から追い出した。 じゃあ、とりあえず髪型からしないといけない訳だけど…そんなに長くないしサイドを編み込むかな。 洗面台の前に行き両サイドを片編みにした。 崩れない様に竜兄のワックスで表面を軽く固めた。 着物のセットで付いていた髪飾りを付けて完成。 ってか、化粧はしてないけど。 まぁ。いいか。 で、寝室に戻り着物を着た。 小さい頃に詩音さんに習っていたから、着物の着方は知っている。 でも、かなり久しぶりだ。 よしっ!出来た。 帯もいい感じに綺麗に出来た。 おー。ちょっと苦しいけど、たまには着物もいいね。 しかも、さすが竜兄の選んだ着物。 やっぱり漆黒の生地に銀でデザインされた綺麗な着物。 銀でデザインされている蝶や華が浮かび上がって見える。 帯も着物に合わせたのか、銀が中心の少し漆黒でデザインされたものだ。 寝室を出て竜兄の待つリビングへ向かった。 リビングの扉を開いたら、バッと顔を向けた竜兄。 「はい。出来ました。どう?」 『………綺麗だな。……すげぇ。こんな綺麗に着物着込める女いないだろ。』 大袈裟だな。 「化粧してないから、おかしくない?」 『いや。全然。化粧したら、ヤバイだろ。マジ。想像以上の綺麗さだな。』
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