【暴走Ⅲ その参】

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「竜兄は大袈裟だよ。」 『大袈裟じゃあないだろ。まぁ。行けば分かると思うぞ。』 「あっ。もうこんな時間。早く行こう。」 と、慌てて出発。 何度か翔兄からメールが来てた。 《もう始まるぞ。早く来いよ!》 だって。 「翔兄からメール来てた。あー。30分前だから、もう始めてるね。まぁ。こっそり入ればいいか。あっ。翔兄と言えばね。ウチ、増築するんだって。」 言うの忘れてました。 『増築?今でも広いのに何でわざわざ。』 「父さんがね。翔兄と蓮兜兄と志稀が一緒に住める様に、二世帯住宅みたいにするって。まぁ。志稀の為には、あの二人と一緒に生活させた方がいいと思うしね。二人で育てるって言ってたし。蓮兜を下さいってことは、そう言う事でしょ。だからじゃないの?」 『なるほどな。まぁ。それが当たり前なのかもな。お前が少し淋しくなるかもな。』 「でも、行き来は出来るから大丈夫だよ。きっと、しょっちゅうウチに居るはず。」 『それじゃあ意味ねぇだろ。』 確かに。 「まぁ。形だけでもって事でしょ。蓮兜兄もその方が居やすいだろうし。どっちにしろ翔兄の部屋じぁ狭いしね。」 『だな。よし。着いたぞ。』
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