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メニューをじっと眺めている間宮くんに、私はずっと気になっていたことを聞いた。
「あのさ、間宮くん」
「ん?」
「どうしてここに来ることがお詫びなの?」
「あー……、内緒」
「え!? なにそれ!」
間宮くんはあははと笑うだけで何も答えない。
本当に内緒のようだ。
「後で教えてあげるよ」
……何だか納得がいかないが仕方ない。
間宮くんは答える気はなさそうだし。
「ねぇ、宮本さんはここに来たことあるの?」
「ここ? うん。昔、家族とよく来てたよ! あ、その時仲良かったお隣さんとも来てたなぁ……」
その頃を思い出して、自然に笑顔が浮かぶ。
『みーちゃん、ベリータルト食べてみて!』
『えー! ぼく、それすっぱいからきらいだよ』
『おいしいのになぁ……』
……みーちゃんは、今でもベリータルトが食べれないんだろうか。
酸っぱそうに顔を歪めていたみーちゃんを思い出して笑ってしまった。
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