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間宮くんは突然笑い出した私を不思議そうに見る。
「どうしたの、宮本さん」
「あ、ごめんね。
一緒に行ってたお隣さんに、同い年の男の子がいたの。その子が『ベリータルトはすっぱいからきらいだよ』って言ってたの思い出しちゃって」
「へぇ……、そうなんだ」
「うん。その子が大好きだったのがモンブランだったんだー。
ベリータルト、食べれるようになったのかな」
そこまで話して、運ばれてきた紅茶を一口飲む。間宮くんも同じように紅茶を飲んだ。
「宮本さんは、その男の子の名前覚えてるの?」
「それがさ……、みーちゃんって呼んでたのは覚えてるんだけど名前は全然覚えてない! 小学校に入学する前に引っ越しちゃったから全然会ってないし。
…………会いたいなぁ……」
ぽつり、と溢してしまった言葉を間宮くんは聞き取れなかったみたいで聞き返してきたけど、私は笑って誤魔化した。
「さ、間宮くん! 何にするか決めた? 私のオススメはベリータルトだよ!」
「じゃあ、俺はベリータルトで。宮本さんも?」
「うん、もちろん!」
「了解。……すいません!」
間宮くんが店員さんに注文している間、私は窓ガラスから外を見ていた。
みーちゃん、元気かな……。
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