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「――本当にごめんなさい!!」
今にも土下座しそうな勢いで、私は目の前にいる男子に謝っていた。
「……いや、ぼーっとしてた俺も悪かったし」
そう言った彼の手の中にあるのは、液晶画面が割れたスマホ。
事の発端は放課後。
余所見をしていた私は、廊下を歩いていた彼とぶつかってしまい、その拍子に彼はスマホを落とし。
……ぱりん、と音がした。
急いで拾い上げてみたけれど、液晶画面はぼろぼろだった。
「ごめんなさい! 弁償します!」
「全然大丈夫だって」
「そんな訳にいきませんよ!」
「いや、弄って歩いてた俺も悪いし……」
「で、でもお詫びしないと……」
すると、彼はじっとスマホを見て考える素振りを見せた。
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