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「……十二月二十四日」 「え?」 「十二月二十四日、何か予定ある?」 十二月二十四日っていうと……クリスマス・イヴか。火曜日だけど、明日から冬休みに入るから学校は関係ない。 それに、彼氏がいるわけでもない私は特に予定はない。 「特にないですけど……」 「じゃあ、決まり。 十二月二十四日、少し俺に付き合ってよ」 ダメ? と首を傾げて聞いてきた彼に、思わず首を横に振る。 すると、彼は良かったと言って小さく笑った。 「じゃあ、十二月二十四日の正午に“アオイ”っていう喫茶店の前に来て。あ、場所分かる?」 「分かりますけど……」 「なら大丈夫だね。……あ、そういえば名前聞いてなかった」 「宮本、奈津美(ミヤモト ナツミ)です……。あの、間宮くんのことは知ってますよ」 そう言えば、彼は驚いたように目を見開いた。 ……そっか、話したことないもんね。 もしかして、ストーカーとか思われたらどうしよう!? そう思い立った私は直ぐに口を開いた。 「あ、ほら、間宮くんって学年一位でしょ? 頭良いって有名だから知ってたんだ!」 これは本当のことだ。 彼、――間宮 宏樹(マミヤ ヒロキ)くんは、頭が良くて有名だ。 ……私が名前を知っていたのはそれだけじゃないけど。
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