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そう言えば、間宮くんの表情が一瞬、陰ったように見えた。
……見間違いかな?
間宮くんは、今は普通に笑っている。
「そっか。じゃあ、改めて。間宮 宏樹です。よろしくね」
「えっ、あ、はい!」
「宮本さんも俺と同じ一年でしょ? 敬語じゃくていいよ」
にこり、と笑った彼に私の心臓はもう壊れそうなくらいバクバクだった。
「あ、宮本さん。連絡先教えてくれる? 十二月二十四日に付き合ってもらうから、連絡取れないと不便だからさ」
「あっ、う、うん。ちょっと待ってね」
間宮くんから差し出された生徒手帳のメモ欄に、少し震える手でブレザーのポケットからペンを取りだし、アドレスと番号を書いていく。
「ありがとう。……それじゃあ、十二月二十四日にね」
生徒手帳を受けとるや否や、間宮くんは軽く私に手を振って背中を向けた。
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