*1

6/21
前へ
/23ページ
次へ
間宮くんが去った廊下で一人になった私は、今までのことを思い返していた。 始まりは、間宮くんのスマホを壊してしまったこと。 そのお詫びをすると言ったら、十二月二十四日に会うことになったこと。 連絡先を教えたこと。 私の乏しい頭では、処理しきれないことが一気に起きてしまった。 だって、これって…… 「……デート?」 いやいや、考えすぎだよ。間宮くんが私とデートなんてして、お詫びになるはずがない。 ……それでも、私を舞い上がらせるには十分過ぎた。 とくん、と高鳴った胸をおさえるように、制服のリボンを握りしめる。 だって、 私は彼に ――――恋をしているのだから。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加