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「彼と出会ったのは…
ゲームの中だったの…。
何となく…彼はいつも
孤独な感じがして…
助けてあげれない自分が
もどかしくて…
それが始まりだった」
聖との出会いから
ひとつひとつ、
言葉を選びながら
彼の事を孝之に打ち明けた。
私の話をじっと黙ったまま
聞いてくれていた孝之。
けれど聖との出会いを
話し終えた私に彼は
質問を投げかけた。
「それで…
どうして紗枝はその男に
抱かれようと思ったの?」
「…それは…
彼に…生きて欲しいから…」
「は?」
「彼…慢性腎不全なの。
週に3回も透析を受けてるのに…
移植を拒んでる」
私の言葉に孝之の目が
大きく見開いた。
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