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「イヤリングの事は
私の勘違いだったかもしれない。
けれど…亜希って誰…?」
私の頬を包んでいた
孝之の手がピクリと揺れた。
交わった視線を
お互いが逸らせないまま
じっと見つめ合う。
「…それに…
どうしてメールボックスが
空っぽなの…?
見られたら困るメールが
あったから、全部を
削除したんじゃないの?」
「…それは…」
「お願い孝之…。
私はあなたを責めたくないの…。
こんな事で言い合いなんて
したくない。
だからもう…」
零れ落ちた涙と共に
訴えた言葉で彼の瞳が
ゆらゆらと揺れる。
しばし沈黙したまま
私を見つめていた孝之は
小さく肩で息をつくと
衝撃的な言葉を放った。
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