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「その期限までは
俺は紗枝を抱かないし
嫉妬もしない。
紗枝の気が済むように
その男に生きる希望を
与えてやればいい。
メールを消した理由を
お前に言えない俺にも
与える罰だと思って耐える。
けれどそれが終わったら…
…必ず俺の元に戻ってもらう」
「…そんな…」
「俺は紗枝しか見てないよ。
だから分が悪いのは
紗枝の方じゃないのか?
…俺という存在がありながら
他の男に抱かれたんだ。
NOとは言わせないよ」
表情も変えないままに
そう言い放った孝之を
見つめながら
私は何も言い返す事が
出来なかった…。
「紗枝、俺はね、
あんな離婚経験があっても
もう一度誰かを愛してみようと
思えたのはお前だったからだ。
だから何があっても
俺はお前を許すし、
愛し続けると誓って
今まで一緒に暮らして来た」
淡々と話す孝之の言葉が
私の胸を更に激しく
突き刺して行く。
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