第3話 お兄ちゃんにトライ!!

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5月も終わりに差し掛かり、緑の景色が多く見られるようになっってきた。 2年目の大学生活は特に問題はなく、比較的穏やかな日々を送っている。 比較的穏やかではない日というのはお察しの通り家庭教師アルバイトの日だ。 週に2、3回港家に行って指導をしているのでさすがに亜紀の性格も分かってきたが、何事もなく1日が終わるわけではない。 罵倒され、バカにされ、侮辱され、見下される。 いやホントよく耐えてるな、俺。 普通ならもう家庭教師など辞めるレベルだろ。 自分でも「え?もしかして俺ってM気質だったの?」と本気で疑った。 しかしそうではないのだ。 俺だって一応一泡吹かせてやろうと色々やってみたのだ。 苦手な物を探ってみたり、言い返してみたり。 まあ結果は空振り。空振り三振。 かすりもしなかった。 しかもその後必ず逆に理不尽と言えるほどの仕返しがくるので、デッドボールまでくらっている。 いや白旗上げた後でも攻撃、もとい口撃してくるのでデッドボールですらない。 空振り三振でトボトボとベンチに帰る選手に向かってボールを投げつけるやつがあるか。 なんて女だ。 何で可愛いんだよ。 それが一番悔しい。
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