第3話 お兄ちゃんにトライ!!

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------------------------------------------------------------ 「言いましたよね?部屋に入る時は必ずノックをして返事があってから入るようにって、私言いましたよね?」 「…はい。おっしゃっていました」 軽い三途の川観光の旅から無事帰って来られた俺は、地獄の拷問よりもキツい説教を受けていた。 何を投げつけてきたのかは知らないが臨死体験までしたのだ。 洒落にならんわ!! …とツッコミたかったが黙っておいた。 怖かったから。 「なのに堂々と着替えを覗きに、…いえ、もはや覗いてすらいないですが。とにかく人の下着姿を見たことは万死に値します」 「本ッ当にごめん!!!!」 大変お怒りのご様子の亜紀は仁王立ちで(もちろん私服に着替えている)腕を組んでいる。 一方俺はというと、もうこれ以上ないというほどの見事な土下座の形をとっていた。 額を痛いくらい床に押し付けているので亜紀の表情は見えないが、それはもう金剛力士像のような顔をしているに違いない。
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