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発言も許されない俺に出来ることは、この金メダル級の土下座を続けてひたすら許しを請うのみだ。
まあだんだん気持ちよくなってきたしこのまま踏まれても嬉しいかm
「お姉ちゃん!その辺にしてあげなよ!せんせーがかわいそうだよ」
本格的にMに目覚めかけていた俺をいろんな意味で救う声がした。
「…由紀、それはダメ。この性犯罪者のゴミ野郎には相応の罰を与えないと」
「う~…。でもでも!いくらせんせーが『せーはんざいしゃ』だからってさすがにかわいそうだよぉ!!」
待ってくれ。
俺は性犯罪者じゃない。
そーっと顔を上げると、仁王立ちながらもどこかバツが悪そうな顔をする亜紀と、俺のあまりの情けなさに同情したのか庇ってくれている妹ちゃんが見えた。
「せんせーはね、何でか分からないけど由紀のために怒ってくれてたの!それで間違ってお姉ちゃんの部屋を開けちゃったんだから事故なの!!」
「それはそうだけど…」
「お願いお姉ちゃん!せんせーを許してあげて?」
「………」
こんなに押されている亜紀を初めて見た。
そして嬉しいんだがこんなに小さい子に庇われている惨めな俺も初めて見た。
「本当に悪かったッ!!ワザとじゃないんだ!これからは必ずノックする!だから…許してくれ……ッ」
心から謝った。
そのおかげか妹ちゃんのおかげか――――
「…はぁ。分かりました。今回だけは許します」
なんとか女王様の、担当生徒の、姉の許しを得たのだ。
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