プロローグ

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「やっだなぁ。冗談じゃん、じょーだん。半分はね」 「半分は本気だったんですか…」 「いや、これも半分は冗談。で、またその冗談の半分は冗談で、またその半分も 「ややこしいんでやめてください!」 結局何分の一が冗談なのか。 先輩にとって俺はいじって楽しめる後輩のようだが、とにかくツッコミどころ満載の人なので相手にするにはそれなりの体力がいる。 見た目からは想像できない中身のおかげで一緒にいて退屈もしないが気が休む暇もない。 だからといって嫌いというわけではないのだが。 むしろそれも彼女の魅力であると素直に思ったりもする。 「まぁ日比谷くんにそんなことはしないよー。彼女に怒られちゃうしね」 「え?彼女?」 先輩の発言には身に覚えがなかった。 …いや、身に覚えがないのも寂しい事実ではある。 とにかく俺に現在彼女はいない。 言っておくが、『現在』だ。そのうちできると信じている。
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