第4話 梅雨にトライ!

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6月中旬。 平年よりやや遅めの梅雨入りにより、ここ何日かは雨が続いていた。 まともに太陽を見たのはいつが最後だったか。 思い出すのに時間がかかってしまうくらい雨が続いていた。 「雨の日は何か憂鬱な気分になりますね。ただでさえ誰かさんの所為で憂鬱だというのに…」 「誰かさんって俺じゃないだろうな?」 「他に誰がいるんですか?」 家庭教師を初めて早1ヶ月。 今日も俺はいつも通り港家に訪れた。 正確にはいつも通りというよりは連日の雨が嬉しくて少し機嫌が良かった。 しかし最初の発言から分かるように、亜紀は雨が嫌いなようで――――。 いつもの凛とした雰囲気を漂わせず、テーブルに突っ伏している。 こんなにダレている亜紀は珍しい。 まあ理由は雨のせいだけではないけど。
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