2783人が本棚に入れています
本棚に追加
/467ページ
「たしかに俺にも責任はあるけどさ…。お前も多少は責任あるからな?」
「はぁ…。責任転嫁ですか。やめてください!『嫁』なんて言葉を使わないでください!由紀が最近言った、
『誠お兄ちゃんが本当のお兄ちゃんになるにはお姉ちゃんと結婚すればいいんだよね!!』
というセリフが毎晩のように悪夢を見せてくるんですから!!」
「そんな話初めて聞いたし『嫁』って使ったのはお前だからなッ!!」
何だその嬉し恥ずかし、ならぬ怖し恥ずかしなエピソードは!!
思っていたより語呂悪かった。
まあその責任というのを説明すると、先日亜紀の通う高校で行われた実力テストにおける責任のことだ。
その結果に対する、責任のことだ。
亜紀は顔だけ上げてこちらを見た。
「先生の教え方が悪いから、ということじゃないんですか?」
「教え方については反論できないがお前もあまり真面目に勉強しなかったよな?」
「してましたよ」
「どこが。前に勉強開始5分で『息抜きにトランプでもしましょうか』って誘ってきたのは何処のどいつだ」
「あ、もうその話はオッケーです。大体先生の教え方は――――」
「スルーすんな!!!!」
強引すぎるだろ。
さすがに無視できない。
最初のコメントを投稿しよう!