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昼間は、カップルや家族連れでごったがえしている、
大型水族館施設。
深夜の今は、
街頭のたよりない光に照らされ、
しんと静かで、
周りには私達以外誰もいない。
沢山の魚を包む四角い建物は、
今はひっそりとそこにあって、
向い側の花火を、特等席で見ている様に見えた。
七色に光る巨大な丸が、
黒い空を人工的に照らし、
冬の星座を邪魔しているのを見て、
言葉が漏れる。
「…きれい」
冬の空に輝く、
巨大な観覧車は、
本物の花火に見えた。
「…なんで、さっきの質問を私にしたんですか?」
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