金曜日の花火

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とても近くにある、 室井樹の瞳に、私の驚いている顔が映っている。 どうして、 そんな事を言うのか、 聞きたいけれど、言葉が出てこない。 頬に、 あの、 綺麗な指が触れているのが分かるから。 「俺以外の、誰かのモノになるの?」 何を言ってるのか、分からない。 でも、 頬をゆっくりとなぞる指が、 私の熱をどんどん上げていくのが分かる。 それに合わせて、 心臓の音がどくどくと高鳴っていくのも。
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